主催者インタビュー:大阪大学 後藤先生
進化計算コンペティション 2021 〜合成人口データを用いた経済政策シミュレーション〜
公開日:
OptHub 編集部

大阪大学教授であり、数理最適化コンペティションプラットフォーム「OptHub」の主催者である後藤先生にインタビューを行い、OptHub開催の背景や目的、内容、苦労した点、成果、そして今後の展望について詳しくお話を伺いました。
OptHub開催の背景と目的
後藤先生は、OptHub開催に至った経緯をこう説明します。
「2021年、村田先生(当時関西大学教授)から進化計算学会会長を務めていた時期に、OptHub開催の提案がありました。村田先生との研究的な繋がり、社会シミュレーションへの進化計算の応用可能性、そして私自身も進化計算に興味を持っていたことが背景にあります。」
OptHub開催の目的について、後藤先生は以下の4点を挙げました:
「社会シミュレーションの分野における進化計算の活用を促進すること。」
「政策決定におけるシミュレーション活用を促進し、社会実装につなげること。」
「新型コロナウイルス感染拡大を受けた経済政策の効果を、合成人口データを用いたシミュレーションで客観的に評価すること。」
「感情論に偏りがちな政策議論を、データに基づいた議論へとシフトすること。」
OptHubの内容と課題
OptHubの具体的な内容について、後藤先生はこう説明します。
「OptHubでは、合成人口データを用いた経済政策シミュレーションの課題が出題されました。合成人口データは、村田先生の研究室が国勢調査データなどを基に作成したもので、個人の収入、年齢、世帯構成などが詳細にモデル化されています。」
参加者の課題について、「参加者は、このデータを用いて、経済ショック発生時における最適な給付金の支給方法などを検討し、その効果をシミュレーション上で評価します。」と述べました。
また、コンテストの公平性について、「コンテストの公平性・競技性を保つため、シミュレーションプログラムの内容は非公開とし、参加者はモデルと入力情報のみを用いて最適化を行います。」と説明しました。
OptHub開催準備における苦労
準備期間と作業内容について、後藤先生はこう語ります。
「準備期間は約半年で、シミュレーションプログラムの開発、課題設定、Webサイト構築、運営体制など、多岐にわたる作業が必要でした。私は進化計算の専門家ではなかったため、進化計算学会のメンバーから多くの指導・助言を得ながら準備を進めました。」
特に苦労した点として、以下を挙げました:
「コンペティションシステムの構築、課題の難易度調整、公平性の担保など、運営面で多くの苦労がありました。」
「課題出題形式、解答提出方法、評価方法なども、出題される問題によって調整する必要がありました。」
「合成人口データの処理に時間がかかるため、対象とする自治体の範囲設定なども考慮する必要がありました。」
OptHub開催による成果と意義
OptHub開催の成果について、後藤先生は以下のように語りました。
「OptHub開催を通じて、進化計算の専門家と交流し、新たな知見を得ることができました。私自身も進化計算について学び、スキルセットの幅を広げることができました。」
参加者からの提案について、「コンテスト参加者から、多様な視点からの多目的最適化手法が提案され、今後の研究開発への活用が期待されます。」と評価しています。
社会的意義については、「特に、政策シミュレーションの分野では、OptHubを通じて得られた知見が、今後の政策決定における意思決定支援ツール開発に役立つ可能性があります。」と期待を寄せています。
また、「社会シミュレーションというテーマ設定により、学術的な研究成果を社会実装へ繋げるための具体的な事例を提示できました。」と、OptHubの意義を強調しました。
OptHubへの期待
後藤先生は、OptHubへの期待を以下のように語りました。
「OptHubを通じて、数理最適化の社会実装が加速し、より良い社会の実現に貢献できることを期待しています。特に、政策決定におけるシミュレーション活用が促進され、より客観的で効果的な政策立案が実現することを期待しています。」
さらに、「OptHubが、進化計算の研究者と社会をつなぐプラットフォームとなり、新たなイノベーションが生まれることを期待しています。」と、OptHubの可能性を強調しました。